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治療のポイント
病人と入浴
著者: 和合健二1
所属機関: 1七沢病院内科
ページ範囲:P.182 - P.184
文献購入ページに移動"風呂あがり"のなんともいえない爽快な感じは,健康人にとっても,refreshedという言葉が本当にピッタリで,全く生き返ったような気分である.われわれの先祖が入浴を病人の治療にとって有力なてだてであると考えたとしてもなんの不思議もない.
本邦で風呂を治療に使った古い記録としては,光明皇后の施薬院における施浴があるが,そのころ風呂といえば蒸し風呂のことであって,浴湯の普及はこれにおくれ,貴族の風呂殿,寺院の施浴,庶民のための公衆浴場などその多くは蒸し風呂であった.江戸時代の銭湯も最初は純然たる蒸し風呂で,それがしだいに半浴湯・浴湯へと変わっていった.世界的にみても,ロシヤ風呂,トルコ風呂,サウナ風呂,ローマ風呂など,蒸気浴(もしくは熱気浴)は貴族・庶民をとわず昔から広く人びとに愛好されてきた.
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