文献詳細
文献概要
メディチーナ・ジャーナル
種痘と痘そう流行
著者: 大谷藤郎1
所属機関: 1厚生省公衆衛生局検疫課
ページ範囲:P.192 - P.192
文献購入ページに移動種痘の諸問題
昨年は種痘による副反応が社会問題化して,ようやく救済措置が行政的にとりあげられることになった.そしておそまきながら,年末から,種痘以外の予防接種の事故の救済も含めて,厚生省内に事故審査会(会長:高津忠夫教授)が設置されて審査が進められている.新年を迎えて審査も週1回というスケジュールで強行されているので,長年にわたる不幸な懸案事項もこれで一応の進捗をみせるはずである.
また,一方ではラディカルに種痘そのものの改善開発が進められることになり,国立予防衛生研究所の多賀谷部長らが中心となって,真に副反応の少ない痘苗を創製する努力が始まっている.いずれにしろ生きたウィールスを使用する生ワクチンの開発には,多年にわたる地味な研究努力と広範囲にわたる野外実験が必要となるのであって,そのため研究を支える社会的制度的配慮が必要となってきている点は注目されなければならない.
昨年は種痘による副反応が社会問題化して,ようやく救済措置が行政的にとりあげられることになった.そしておそまきながら,年末から,種痘以外の予防接種の事故の救済も含めて,厚生省内に事故審査会(会長:高津忠夫教授)が設置されて審査が進められている.新年を迎えて審査も週1回というスケジュールで強行されているので,長年にわたる不幸な懸案事項もこれで一応の進捗をみせるはずである.
また,一方ではラディカルに種痘そのものの改善開発が進められることになり,国立予防衛生研究所の多賀谷部長らが中心となって,真に副反応の少ない痘苗を創製する努力が始まっている.いずれにしろ生きたウィールスを使用する生ワクチンの開発には,多年にわたる地味な研究努力と広範囲にわたる野外実験が必要となるのであって,そのため研究を支える社会的制度的配慮が必要となってきている点は注目されなければならない.
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