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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻2号

1971年02月発行

文献概要

新薬の紹介

β遮断剤

著者: 新谷博一1

所属機関: 1昭大第3内科

ページ範囲:P.246 - P.247

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 β遮断剤(β-blocker)は循環器疾患の新しい薬物療法のうち,最近最も注目されているものの1つである.1948年Ahlquistは,adrenaline作用の二様性を説明するため,交感神経にはadrenalineに対して異なった反応を示す2つの受容体,すなわちα受容体とβ受容体とが存在するという仮説を提唱した.当時すでにα作用に対する拮抗剤ないし遮断剤として麦角アルカロイド,Dibenamine,Regitine(Phentolamine)などは存在していたが,β作用に対する拮抗物質はまだ発見されていなかった.それから10年後β受容体遮断作用をもつDCI(Dichloroisoproterenol,1958年)が発見され,Ahlquistの説は強い裏づけを得た.その後Pronethalol(1962年),Propranolol(1964年)と,さらに薬効が強く,副作用の少ないβ遮断剤が開発され,現在Propranolol(Inderal)はわが国でも4年前から市販され,不整脈・狭心症などの新しい型の治療剤として実地臨床上用いられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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