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英国のヒポクラテス:シーデナムの功績
著者: 小川鼎三1
所属機関: 1順大医史学
ページ範囲:P.384 - P.384
文献購入ページに移動 診断の技術について特に大きい発見をしたわけではないが,英国のシーデナムThomas Sydenham(1624-1689)が,病気の診断はいかになすべきか,病人の取扱いはいかにあるべきかを教えたところは甚だ大きい.理論や先入主にとらわれず客観的によく観察して,植物を分類するごとく,病気の種類を決めることができると考えた.彼は英国のヒポクラテスと称せられる.
その時代は生活現象をすべて物理学で解釈できるとする学派と,すべて化学的に説明すべきだとする学派が対立して,はげしい論争をしていた.シーデナムはその理論の争いには超然たる立場をとり,ひたすらベッドサイドの観察に全力を注いだ.
その時代は生活現象をすべて物理学で解釈できるとする学派と,すべて化学的に説明すべきだとする学派が対立して,はげしい論争をしていた.シーデナムはその理論の争いには超然たる立場をとり,ひたすらベッドサイドの観察に全力を注いだ.
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