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治療のポイント
経管栄養
著者: 林四郎1
所属機関: 1信大外科
ページ範囲:P.434 - P.436
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生体にとって,1日も欠かしたくない栄養補給であるが,その方法として,経口的,経腸的(経管栄養)および避腸的(注射)という3つの代表的な経路があげられる.この中で経口的栄養摂取がもっとも生理的な栄養補給経路であることはいうまでもない.しかし患者の状態,たとえば食道狭窄,消化管通過障害,消化管手術後早期,あるいは意識喪失状態などではやむをえず,他の方法に頼らざるをえない.そのような場合,もっとも容易な方法は静脈内注射により糖質,アミノ酸製剤,全血,血漿製剤,さらに静注可能な脂肪乳剤などを与えるものであるが,この方法の最大の欠点は栄養補給量,カロリー投与量が不足しがちなことであり,それを克服するためには完全静脈内栄養補給法として,輸液量を4000-5000mlへと増やし,脂質注入などに活用せざるをえない.
最近一部で賞用し始められたこのような完全静脈内栄養補給法などを考えると,従来考えられてきたレベルよりもはるかに効率の高い栄養補給路となりうる可能性があるが,今日のところでは経管栄養に及ぶ段階ではない.これから述べる経管栄養については,いろいろと手がかかる欠点があるが,活用される価値があるだけに,筆者の経験を中心にして,その概要を述べたい.
生体にとって,1日も欠かしたくない栄養補給であるが,その方法として,経口的,経腸的(経管栄養)および避腸的(注射)という3つの代表的な経路があげられる.この中で経口的栄養摂取がもっとも生理的な栄養補給経路であることはいうまでもない.しかし患者の状態,たとえば食道狭窄,消化管通過障害,消化管手術後早期,あるいは意識喪失状態などではやむをえず,他の方法に頼らざるをえない.そのような場合,もっとも容易な方法は静脈内注射により糖質,アミノ酸製剤,全血,血漿製剤,さらに静注可能な脂肪乳剤などを与えるものであるが,この方法の最大の欠点は栄養補給量,カロリー投与量が不足しがちなことであり,それを克服するためには完全静脈内栄養補給法として,輸液量を4000-5000mlへと増やし,脂質注入などに活用せざるをえない.
最近一部で賞用し始められたこのような完全静脈内栄養補給法などを考えると,従来考えられてきたレベルよりもはるかに効率の高い栄養補給路となりうる可能性があるが,今日のところでは経管栄養に及ぶ段階ではない.これから述べる経管栄養については,いろいろと手がかかる欠点があるが,活用される価値があるだけに,筆者の経験を中心にして,その概要を述べたい.
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