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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻4号

1971年04月発行

一般医のための救急診療のコツ

食中毒—鑑別と処置

著者: 柳下德雄12

所属機関: 1都立豊島病院伝染科 2慶大医学部内科

ページ範囲:P.460 - P.462

文献概要

鑑別診断のコツ
 患者の発生状況から 食中毒の場合は,数人以上の患者が同時あるいは相前後して発症するのが常である.赤痢やパラチフスなどの急性伝染病の場合は,爆発的な流行であつても数日間にわたって発生をみる.食事の不摂生や食事性アレルギーによる急性単純性胃(腸)炎では,もちろん集団発生はみられない.
 季節の関係から 集団発生する夏の急性胃腸炎といえば,昔は赤痢とサルモネラおよびブドウ球菌による食中毒を考えるべきであつた.しかし近年は赤痢が激減したので,夏ならまず腸炎ビブリオ食中毒を念頭におくべきである.この腸炎ビブリオ食中毒は夏→初秋に限って多発する特徴があり,他の季節には全く発生しない.また,「いずし」によるボツリヌス中毒は初冬にだけ発生し,「ふぐ」や「きのこ」の中毒は,出まわる季節に関係し,貝類中毒は特定の季節に特定の場所で採れたものに限られる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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