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研修医のためのWard Conference 関西電力病院
腎孟腎炎—ことに慢性腎盂腎炎の考えかた,治療のすすめかた(その2)
著者: 片村永樹1 原報2 久下義文3 新井永植1
所属機関: 1関西電力病院泌尿器科 2関西電力病院策1内科 3関西電力病院第2内科
ページ範囲:P.482 - P.485
文献購入ページに移動—腎盂腎炎は高血圧とふかい関係がありますね.
片村 すでに血管撮影のさい述べたように腎盂腎炎腎は,血管系,ことに弓状動脈や小葉間動脈などで狭窄や閉塞,部分的な拡張,蛇行,らせん様化などの変化があり11),増殖性動脈内膜炎をきたして動脈壁の増殖肥厚が著しいために,腎血管性因子による高血圧をきたします.さらに病変程度がすすめば腎組織の萎縮をきたし,腎阻血が強く,いっそう高血圧が増強します.Bengtssonら12)は,慢性腎盂腎炎患者の65%に高血圧があり,それらの37%は拡張期血圧が100mmHg以上になることを指摘しており,WeissとParker13)14)は悪性高血圧症の15-20%は腎盂腎炎に由来することを指摘していますが,そのほかの研究者15)23)たちもほぼ似た数字を示しています(表3).
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