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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻5号

1971年05月発行

文献概要

治療のポイント

肺結核症の初期—その見つけかた扱いかた

著者: 梅澤勉1

所属機関: 1警視庁健康管理本部

ページ範囲:P.582 - P.584

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なぜ結核の治療はおもしろくないのか
 肺結核症は初回の治療で勝負をつけなければならない.そのためには早期に見つけ出し,直ちに治療のルートにのせることが最もたいせつである.健康診断が普及したので,肺結核症は健康診断でほとんど全部見つけられているはずである.こうした認識はしごく当り前のようであるが,現実にはそうなってはいない.結核管理の面で抜け穴がいくつかある.その抜け穴が難治患者やくり返しの再発を生み出すもとになっている.
 もともと肺結核症には初期という段階はない.無自覚性慢性の病気では発病を初めて発見したときが初期である.そのときの病勢の判断,治療の方向,患者の扱い方によって初回治療の効果が左右される.ところが,臨床医にとって肺結核症は全く興味のない病気になってしまった.そのうえ,肺結核症は見つけることも治すこともやさしい,というのが臨床医の通念になってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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