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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻5号

1971年05月発行

文献概要

病態生理—最近のトピックス

腎不全—BUN上昇を中心に

著者: 浦壁重治1

所属機関: 1阪大第1内科

ページ範囲:P.604 - P.605

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腎不全とBUN
 腎不全(Renal Failure, Renal Insufficiency)という言葉の意味する範囲はさまざまで,軽度の腎機能障害より尿毒症にいたるすべての病期を包含する場合から,腎障害が進行してもはや内部環境恒常性維持が不能となった病期に限定する場合まであって,国際的統一用語とはなっていない.
 本来,腎病変の程度・広がりは連続的であるから,腎機能も病変の進行と共に連続的に低下する.したがってこの一連の変化を無理に各病期に分類しようとする試み自身にも問題があり,現状であえて定義しようとすればBUNが最も合理的な指標となる.周知のように,腎臓は窒素代謝の終末産物である尿素の主要排泄器管である.したがってBUN上昇開始は、とりもなおさずこの排泄能力が限界点に達したことを示すわけで,この点をもって腎不全の始まりとする考え方が内部環境の恒常性維持の面からも至当と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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