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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻6号

1971年05月発行

文献概要

Current Abstracts

内因性うつ病におけるアミノ酸代謝

著者: 浦田卓

所属機関:

ページ範囲:P.775 - P.775

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 内因性うつ病の患者18名と,コントロールの正常人9名とから,午前8時と午後8時にそれぞれ,血液を採取して,チロジンとトリプトファンの値をしらべてみた.チロジンの値はうつ病患者のほうが相当低く,トリプトファンの値は朝のほうが低かった.ただし,9名の患者では,夕方の値がコントロールの正常人のそれよりもはるかに高かったが.
 24時間尿のキヌレニン値は,すべての患者で低下していた.正常人では,朝の値のほうが夕方の値よりも高かったが,うつ病患者では夕方の値のほうが高かった.これは,チロジン・トランスアミナーゼとトリプトファン・ピロラーゼの病的な活動に由来するのではないかと思われる.以上のような研究成果を踏まえると,チロジンとトリプトファンのそれぞれの前駆物質の病的な値は,うつ病におけるノルアドレナリンとセロトニンの代謝の異常にもとつくのではなかろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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