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遺伝病の生化学的治療
著者: 浦田卓
所属機関: 1
ページ範囲:P.777 - P.777
文献購入ページに移動 遺伝病の生化学的是正は,その基礎にある蛋白質の欠陥にもとつく.ある極の外因性物質が適切に代謝されないばあいには,食事中のその物質を制限するのである.で,もし早期に診断を下し,子宮内の時期に治療を行なうことができれば,発育中の神経系に不可逆的損傷を与えることを防止できるはずである.しかし,もし遺伝的欠陥が,内因的に生産される物質または構造蛋白質の代謝に関係していれば,食事制限を行なったとて無効である.
フィードバックによるコントロールが損なわれているオソレのあるばあいには,合成径路を阻止する代謝物質の使用が,明らかに適応である.酵素の欠陥を直接治療するには,たとえば,安定した形または樹脂に吸収させた形で,欠けている酵素を注入してやるなり,欠陥のある遺伝子を人工変換によって置換してやるなりすればよい.こういった処置は,実験的にはすでに実施せられており,人間においても理論的には可能である。
フィードバックによるコントロールが損なわれているオソレのあるばあいには,合成径路を阻止する代謝物質の使用が,明らかに適応である.酵素の欠陥を直接治療するには,たとえば,安定した形または樹脂に吸収させた形で,欠けている酵素を注入してやるなり,欠陥のある遺伝子を人工変換によって置換してやるなりすればよい.こういった処置は,実験的にはすでに実施せられており,人間においても理論的には可能である。
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