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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻6号

1971年05月発行

文献概要

臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方 ●身体所見のとらえ方 X.四肢

1.内科・神経科の立場から

著者: 古和久幸1

所属機関: 1北里大内科

ページ範囲:P.850 - P.857

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 四肢の主要な機能は運動である.これは中枢神経-末梢紳経-筋肉・関節などの総合機能であり,これらのうちのどれか1つに障害があってもスムースな運動が行なわれなくなる.非常に軽い障害の場合には日常診療でしばしば見落とされることがあるが,ちよつと工夫をすると容易に障害の存在を見出すことができる.たとえば一側の不全麻痺の患者で,粗大な四肢の運動にはなんらの異常がないようにみえても,手指を折り曲げて数をかぞえる運動を迅速に行なわせると麻痺側で下手であることが明らかになる.また,筋強剛が全く欠如していると思われるパーキンソン患者で,筋緊張度の検査に際し,患者に話しかけて注意をそらすと筋強剛が顕著になることはよく経験する.
 このように身体所見をとるには,そこにあるものをpick upするのみでなく,隠されたもの,またはあまり明らかでないものを見出す工夫も大切なことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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