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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻6号

1971年05月発行

文献概要

臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方 ●小児の身体所見のとらえ方 XXI.口腔所見と消化器症状

1.口腔粘膜疹

著者: 加藤英夫1

所属機関: 1順大小児科

ページ範囲:P.954 - P.955

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紅斑様粘膜疹ないし小水疱
 舌,歯肉,口腔の粘膜が全体として赤くなり(紅斑様),荒れていれば口内炎であり.口内炎は軽い時にはカタル性といい,重くなると潰瘍性,壊疽性という.点々と白い潰瘍があって痛みがある時はアフタ性口内炎である.痛みがあることは食欲を害するのでわかる.アフタ性口内炎は単純性ヘルペスウイルスherpes simplex virusでおこる.
 口蓋垂の両側に小水疱が生じ,つぶれて浅い,やや痛い潰瘍を生ずるのは夏かぜのひとつであるヘルプアンギナであって,数株のcoxsackie virusAでおこる.同様にcoxsackie virus A 16でおこる手足口病hand-foot-mouth diseaseでは口蓋だけでなく,頬粘膜,舌,歯肉にも水疱を生じ,同時に手,足,大腿,臀部にも小さい紅斑あるいは水疱を生ずる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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