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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻7号

1971年06月発行

文献概要

診断のポイント

特発性心筋症

著者: 河合忠一1

所属機関: 1阪医大第3内科

ページ範囲:P.1056 - P.1059

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定義 現在病因ないし原因が一応判明している心疾患として,動脈硬化性,高血圧性,リウマチ性,肺性,先天性心疾患などの名があげられる.ところがこれら既知の心疾患以外で原因不明の心拡大をきたす一群の心筋疾患があり,これらを総称して特発性(原発性)心筋症(疾患)と名付ける.もう少し具体的には「原因不明の亜急性ないし慢性の心筋疾患で,しばしば心内膜endocardium,ときに心膜pericardiumの病変を伴うが動脈硬化性心疾患を除外しうるもの」(Goodwinら)と定義されよう.
 しかし実際的には感染性心筋炎,膠原病による心筋炎,代謝障害による心筋疾患,さらにはアミロイドージス,サルコイドージス,ヘモクロマトージス,糖原病などでも心筋が一次的,選択的に侵される場合を全て本症に含める広義の立場と,真に原因不明の心筋疾患のみを特(原)発性(一次性)心筋症とし,一応原因の明らかな続発性(二次性)心筋症と区別する狭義の立場が存在する.筆者らは後者の立場をとっており,本稿でも真に原因不明でかつ心筋に主病変を有する疾患のみを対象とする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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