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抗プラスミン剤の適応と使いかた
著者: 安部英1
所属機関: 1東大第1内科
ページ範囲:P.1063 - P.1065
文献購入ページに移動抗プラスミン剤とはいうまでもなく,蛋白分解酵素の1つであるプラスミンの阻害物質であるが,これに属する物質としては古くから有機燐化合物,大豆トリプシン・インヒビター,リマ豆トリプシン・インヒビター,各種色素類,アミノ酸類,グリチル・リチン,あるいは種々の洗剤など多くのものが知られてきた.
さらにその後オボムコイドやウシの唾液腺より抽出したトラジロール,同じく膵から作ったイニプロールにも同様の作用のあることがわかったが,現在臨床的に最も広く用いられているのは,わが国でその作用の確認されたイプシロン・アミノカプロン酸(ε-ACA)とそれに続いて発見された1-アミノメチル・4・チクロヘキサン・カルボン酸,ことにそのトランス型(t-AMCHA)である.このほかにも同様に合成アミノ酸を主体としたN・N'・ディカルボ・ベンゾキシル・L・リジン(DCL)およびそのエステルやパラアミノ・メチル・安息香酸(PAMBA)などがあるが,これらの間には作用機作のうえで多少の相異がある.
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