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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻7号

1971年06月発行

文献概要

日本人の病気

腎臓病

著者: 木下康民1 宮川隆1 平沢由平2

所属機関: 1新大第2内科 2信楽園病院

ページ範囲:P.1078 - P.1079

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正確な把握がむずかしい現状
 腎疾患の罹患率,死亡率に関する従来の統計は正確さに欠く点があると考えられる.たとえば腎炎では,きわめて軽微な糸球体腎炎は容易に見逃がされうるし,また成人の腎炎にはなんらかの機会に偶然蛋白尿が発見され腎炎罹患時期の明らかでないものがはなはだ多いこと,死亡統計についてみれば腎炎の生前診断がたとえば腎血管硬化症などとの鑑別で必ずしも容易でないため,死因が脳血管障害とか心不全の中に入ってくる可能性がある.このような疾患の性格上の問題から罹患率が捕えにくかったり,死亡率の不正確さのために,腎疾患の疫学の重要性は従来から十分認識されながら,未だ確立されていないのが現状である.このような状況の下でしか把握できない現在,腎疾患の疫学を述べることは不本意であるが,入手しうる資料に基づいて,主として腎炎の一面について考察してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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