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読後随想
—事実の重み—早乙女 勝元著:「東京大空襲」(岩波新書)
著者: 長洲光太郎1
所属機関: 1関東逓信病院外科
ページ範囲:P.1144 - P.1144
文献購入ページに移動 敗戦後26年,その間に東京大空襲の報道はマッカーサーの御威光もあったのか,指を折るほどしかない.それがどういうわけか今年は10種類以上のとりあげ方である.
カメラマン影山光陽氏のものも完全な姿では発刊されていない.あの時私も横浜の海軍医学校にいて,部下の人たちをすぐに帰宅させた覚えがある.帰ってきた人からの話をもとに,半日つぶして熱傷治療の討論などをやった.亜鉛華オレーフ油のぬり方などが名人芸のように紹介された.今では熱傷に亜鉛華はむしろ禁忌と考えられるようにかわっている.思えば空しい討論会であった.
カメラマン影山光陽氏のものも完全な姿では発刊されていない.あの時私も横浜の海軍医学校にいて,部下の人たちをすぐに帰宅させた覚えがある.帰ってきた人からの話をもとに,半日つぶして熱傷治療の討論などをやった.亜鉛華オレーフ油のぬり方などが名人芸のように紹介された.今では熱傷に亜鉛華はむしろ禁忌と考えられるようにかわっている.思えば空しい討論会であった.
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