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文献詳細

雑誌文献

medicina8巻9号

1971年08月発行

内科専門医のための診断学・20

膠原病

著者: 勝正孝1 島田佐仲2

所属機関: 1川崎市立病院 2川崎市立病院内科

ページ範囲:P.1349 - P.1356

文献概要

膠原病の概念
 病理組織学の面から
 膠原病(Collagen disease)という概念は,Klempererが1942年に協同研究者Pollack,Baehrと共に発表した"DiffuseCollagen Disease:Acute Disseminated Lupus Erythematosus and Diffuse Scleroderma"と題する論文の中で初めて提唱したものである.彼はこの論文の中で,従来あまり関係がないと考えられていた一連の疾患が「全身の結合織基質のフィブリノイド変性を主病変とする急性ないし慢性の系統的疾患」という点で共通点を有することを強調したのである.彼が最初対象としたのは,全身性エリテマトーデスと汎発性強皮症であったが,その後リウマチ熱,慢性関節リウマチ,結節性動脈周囲炎,皮膚筋炎が追加され,合計6疾患が包含されている.この概念は,それまで長い間病理学ひいては医学の主流を占めてきたVirchow以来の細胞病理学の範囲を脱したものである点,まさに画期的なものであった.
 しかしKlempererがこの概念を提唱したのは全身の結合織にび漫性に拡がる病変,とくに血管結合織のフィブリノイド変性を特徴とする病理組織学的所見を基として疾患を整理しようとしたものであって,そこに含まれる各種疾患の病因などには全く触れていない.したがって,これに含まれる前述の6疾患はそれぞれ全く別個のものであって,その経過中の一時期の,あるいは終末的な組織像が類似しているだけであるかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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