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日常検査のすすめかた
蛋白尿
著者: 水田亘1
所属機関: 1神戸中央市民病院臨床病理科
ページ範囲:P.1362 - P.1363
文献購入ページに移動正常な糸球体では,分子量7万以上の蛋白は血漿からほとんど濾過されないが,ごく一部は糸球体から濾過されて,再びその大部分が近位尿細管で再吸収されると考えられている.したがって,正常人でも1日に10-100mgの蛋白が尿中に排泄されているが,実際上は普通の定性反応の感度以下であるので証明できない.
蛋白尿の成因としては1)糸球体の蛋白透過性の亢進と尿細管の再吸収能低下,2)血色素,ミオグロビン,Bence-Jones蛋白のような低分子蛋白の血流中への出現,3)腎尿路系への血液や滲出液の混入,などの場合が考えられる.身体に何らかの疾患が存在している結果生じる蛋白尿を病的蛋白尿,そうでなく機能的に生じるものを生理的蛋白尿とし,病的蛋白尿は,腎を中心として一次的な原因疾患の存在部位からそれぞれ,腎前性,腎性および腎後性蛋白尿に分類されている(表1).
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