icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina9巻1号

1972年01月発行

グラフ

膠原病と肺—II.結節性動脈周囲炎(PN)/III.進行性全身硬化症(PSS)

著者: 萩原忠文1 堀内篤1

所属機関: 1日大第1内科

ページ範囲:P.60 - P.65

文献概要

 PNにおける肺病変は35-50%に認められるが,おもに気管支動脈領域の血管閉塞であり,肺動脈に病変がおよぶこともある.臨床症状としては呼吸困難,胸痛,せきなどが多く,ときに喀血あるいは血痰がみられる.約20%の症例は気管支喘息様症状を呈するといわれている.Roseらは本症の肺血管病変の起こり方として肺炎型,気管支炎型,喘息型の3型をあげている.これらの肺病変は他の臓器よりも先におこることがあるので,胸部X線像の読影は大切である.すなわち,心陰影拡大,胸水貯溜,肺門影増大,血管影増強の他に,"pulmonarybive"とよばれる小斑点状陰影が肺野の辺縁部ないし基底部にみられることがあり,また"bastwing shadow"とよばれる血管走行に無関係なびまん性陰影をみることがある.本症では一次的あるいは二次的に心不全を合併することが多いため,これが肺所見を修飾することがあり,肺水腫像を認める例もある.HinshawらはPN 28例の胸部X線像の所見について表のように分類している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら