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Editorial
糖尿病—今後の問題点
著者: 阿部正和1
所属機関: 1慈恵医大・内科
ページ範囲:P.1967 - P.1967
文献購入ページに移動 糖尿病を正しく診断し,適切に治療するためには,糖尿病とはいったいいかなる病気であり,いかなる特質を有しているかの理解が必要である.それと同時に糖尿病の真の病因を解明することも研究の上では絶対に必要な条件といえる.
糖尿病の病因解明にはインスリンをめぐるすべてのことを明らかにしなければならない.中でも膵ラ氏島におけるプロインスリンからインスリンへの転化,ラ氏島からのインスリン分泌の機序,インスリンが分泌されてから宿命的に最初に通過しなければならない肝臓でのインスリンの作用,また,肝臓自身のインスリンへの働きかけ,さらにインスリンの作用などが興味ある研究課題となろう.これらの中で,ここ数年の間に中心的な課題となってきたのは,インスリンの標的組織の細胞膜に存在するインスリン・レセプターの問題である.現在,すでに盛んに研究されてはいるが,これが明らかになると,糖尿病とは,このインスリン・レセプターの形成に欠陥のある病態ということになる可能性もある.また,レセプターがあるとしてもインスリンとの結合が円滑に営めない状態といえる日がくるかもしれない.
糖尿病の病因解明にはインスリンをめぐるすべてのことを明らかにしなければならない.中でも膵ラ氏島におけるプロインスリンからインスリンへの転化,ラ氏島からのインスリン分泌の機序,インスリンが分泌されてから宿命的に最初に通過しなければならない肝臓でのインスリンの作用,また,肝臓自身のインスリンへの働きかけ,さらにインスリンの作用などが興味ある研究課題となろう.これらの中で,ここ数年の間に中心的な課題となってきたのは,インスリンの標的組織の細胞膜に存在するインスリン・レセプターの問題である.現在,すでに盛んに研究されてはいるが,これが明らかになると,糖尿病とは,このインスリン・レセプターの形成に欠陥のある病態ということになる可能性もある.また,レセプターがあるとしてもインスリンとの結合が円滑に営めない状態といえる日がくるかもしれない.
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