icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina9巻12号

1972年11月発行

文献概要

病理夜話

腎臓(2)

著者: 金子仁12

所属機関: 1日本医大 2日本医大・老研基礎部

ページ範囲:P.2207 - P.2207

文献購入ページに移動
 癌腫の組織像は一般に腺癌,扁平上皮癌,未分化癌に分ける.しかし悪性絨毛上皮腫,肝癌,腎癌の3つをやや分化した癌として特別の群の中に入れるのが普通である.これは組織像が一定の臓器に似ているからである.肝癌は肝の組織に,腎癌は腎の組織に,悪性絨毛上皮腫は絨毛の組織に似ているのである.したがってどこに転移をしても,その転移の組織像を鏡検して,これはどこの癌の転移であると診断することができる.
 また,この3つの特別な癌は血行性転移の多いことでも有名である.腎癌は組織学的に淡明細胞(clearcellとも呼び,細胞形質がきわめて明るい)が出現するのが特徴である.血行性転移が多いために,しばしば骨に転移して,腰が痛いとか,腕が痛いとかで整形外科を訪れる患者も稀でない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?