icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina9巻13号

1972年12月発行

文献概要

グラフ

トルコ鞍の測り方

著者: 津久井知道1 山田隆司1

所属機関: 1信州大順応内科

ページ範囲:P.2294 - P.2298

文献購入ページに移動
 多くの内分泌腺疾患に際し,さまざまな下垂体の機能的変化が引き起こされるが,著しい場合には下垂体容積の変化さえ生じ,その結果下垂体を入れるトルコ鞍容積に変化の生ずることは昔から知られていた1).こうしたトルコ鞍容積の変化を知るため,従来トルコ鞍側面のX線撮影が広く実施されてきた.しかし立体で容積を有する下垂体を一側面からだけとらえ,その大小を比較しようとすることは全く意味のないことであって,すでに,Di Chiro2)3),Seki4)5)6)およびわれわれ7)はトルコ鞍を立体的に観察する必要のあることをくり返しのべてきた.しかしトルコ鞍を単に一側面からだけとらえようとする考えはまだ広く一般に浸透しており,この古い考えにくり返し警告を発する必要があると思われる.そういう意味から,a)トルコ鞍の容積はどのように計測されるか,b)トルコ鞍容積の正常値はどの位か,c)各種内分泌疾患時にトルコ鞍がどう変化するか,等の諸点についてできる限り平易に述べていきたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?