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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻13号

1972年12月発行

文献概要

新しい検査技術

Competitive Radioassay

著者: 入江実1

所属機関: 1東邦大・第1内科

ページ範囲:P.2310 - P.2311

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由来と歴史
 Competitive Radioassayという言葉は読者の方には見なれないものかもしれないが,Radioimmunoassay(放射免疫測定法)というとすでにご存知の方も多いと思う.発展の歴史からいうと,1959年,米国のBerson,Yalowらの努力によってインスリンのRadioimmunoassayが開発され,その後10数年の間に,後にのべるように多くの物質がこの方法によって測定され,大きな進歩をとげた.その途上,抗体の代わりに結合蛋白などの特異的な結合をする物質を用いても,Radioimmunoassayと全く同じ原理で物質の測定を行なうことができることがわかり,血液中のサイロキシンの定量などに用いられるようになった.この方法はCompetitive Protein Binding Analysis(CPBA)と呼ばれて,やはり多くの物質の測定に応用されている.この両者の違いはRadioimmunoassayでは抗体を,CPBAでは結合蛋白などを用いるだけで,アイソトープを使用する点など,他の点では全く同じであると考えてよい.
 そこで両者を統一して1つの名前をつけようということとなった.カナダのMurphyは,それに対してRadiostereoassayという言葉を提唱したが,BersonらはCompetitive Radioassayという名称を用いた.筆者はこの後者の言葉のほうが,測定法の本質―アイソトープを用い,競合現象を利用する―をよりよく現わしたものとして,適当な言葉であると考えて用いている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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