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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻13号

1972年12月発行

文献概要

病理夜話

ビタミンE

著者: 金子仁12

所属機関: 1日本医大 2日本医大・老研基磯部

ページ範囲:P.2351 - P.2351

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 最近「健康長寿の鍵」としてC. ウエイトが記載した本を杉靖三郎先生が訳しておられるが,ビタミンEは面白い薬である.日本医大老研所長・緒方知三郎先生がこれに眼をつけられたのはかなり以前のことである.この欠乏動物の組織が老化組織に似ているからである.
 ビタミンE欠乏食で生まれたばかりのラッテを飼育すると,10カ月くらいして後肢がしだいに麻痺してくる.終りには両足を引きずって歩くようになる.この頃の足の腓腹筋を病理組織学的に検べると,非常な変化が起こっている.筋肉の小片状変化,壊死,富核等と,ちょうど筋ジストロフィーや老人筋病変に似ている.「年をとると足がきかなくなる」というのは老人の足の筋肉に変性・壊死が起こってくるからであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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