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Editorial
神経病のトピックス
著者: 加瀬正夫1
所属機関: 1関東逓信病院
ページ範囲:P.161 - P.161
文献購入ページに移動さて神経病の近年における最大のトピックスの1つは,パーキンソン病におけるL-ドパ療法の発見であった.これはおそらく神経学の歴史において空前の出来事であり,これを契機として治療法の限られた各種神経疾患の真の治療法の発見がのぞまれる.すべて新しい薬剤はその出現の当初において過大に評価され,ついで反動として過小評価され,最後に本来あるべき評価におちつくのが普通であるが,L-ドパはその種々なる副作用にもかかわらず,薬効がそれを上回るがゆえに評価のゆるぎがみられない.けれども同時に,副作用を少なくして効果を高める努力がつづけられ,種々なるエコノマイザーがあらわれてきた.その真の評価は今後において決定されよう.
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