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診療相談室
多発性大腸憩室症の頻度と処置
著者: 神坂幸良1
所属機関: 1済生会中央病院内科
ページ範囲:P.278 - P.278
文献購入ページに移動答 diverticulosisは粘膜の小さなherniaであり,腸壁から突出していて筋肉層を持たない.diverticulitisはdiverticulosisに炎症をともない1個以上の憩室が穿孔したものである1).わが国ではまれな疾患であり,筆者自身米国では多数経験しているが,本邦ではまだ数少ない.米国ではdiverticulosisは35歳以下にはまれで,40歳以上になると5-10%にみられ年齢とともに頻度は増加し,85歳では約2/3にdiverticulosisがある.子供には非常に少なく,あっても多くの場合先天性のものである.病理解剖例では10%にあるとされている.一方人種的には,日本人やアフリカ人のように大腸が長くしかもhigh residue dietをとる民族にはdiverticulosisの頻度は低い.憩室はsigmoidに最も多く,ついで下行結腸の順で回盲部2)や上行結腸では大きさも小さく頻度は少ない.
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