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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻2号

1972年02月発行

文献概要

診療相談室

多発性大腸憩室症の頻度と処置

著者: 神坂幸良1

所属機関: 1済生会中央病院内科

ページ範囲:P.278 - P.278

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質問 最近注腸バリウムにて多発性大腸憩室を2例経験しました.この憩室について,頻度,炎症を起こしている場合などの処置(外科的の場合も含む),大腸憩室についての文献をお教え下さい.(函館市・徳富生・30歳)
答 diverticulosisは粘膜の小さなherniaであり,腸壁から突出していて筋肉層を持たない.diverticulitisはdiverticulosisに炎症をともない1個以上の憩室が穿孔したものである1).わが国ではまれな疾患であり,筆者自身米国では多数経験しているが,本邦ではまだ数少ない.米国ではdiverticulosisは35歳以下にはまれで,40歳以上になると5-10%にみられ年齢とともに頻度は増加し,85歳では約2/3にdiverticulosisがある.子供には非常に少なく,あっても多くの場合先天性のものである.病理解剖例では10%にあるとされている.一方人種的には,日本人やアフリカ人のように大腸が長くしかもhigh residue dietをとる民族にはdiverticulosisの頻度は低い.憩室はsigmoidに最も多く,ついで下行結腸の順で回盲部2)や上行結腸では大きさも小さく頻度は少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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