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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻3号

1972年03月発行

文献概要

図解対症検査 消化器シリーズ・11

下血

著者: 山口保1

所属機関: 1弘大内科

ページ範囲:P.294 - P.297

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 下血とは,血液が肛門を通して排泄されることである.黒色で光沢のある軟便のテール便と,顕血としてみられる血便とに分けられる.テール便は,いわゆる海苔の佃煮様と形容されるが,原則として上部消化管からの出血でその出血量は50ml以上と言われる.血便は,主として下部消化管に出血巣がある際にみられる.下血は吐血と共に,消化管顕出血として,臨床上極めて重要な症状である書実地医家にとって,しばしば経験する要態であり,適切な処置を失えば,その予後は非常に重篤である.
 内科と外科では,その頻度はやや異なるが,シヨック症状を伴う症例も少なくない.急性腹部症であり,輸血・輸液の救急処置を行ないつつ,外科医と綿密な連繋をとりながら,その出血の原因を決定することを迫られる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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