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Editorial
電解質代謝—研究の進歩
著者: 吉利和1
所属機関: 1東大・第1内科
ページ範囲:P.303 - P.303
文献購入ページに移動 電解質代謝における最近の進歩といえば,まず大きく分けて3つくらいであろう.しかし何といっても第1にあげられる第三囚子(third factor)がその中心をなすことについては異論はあるまい.生理食塩水を負荷したさいに,尿中にナトリウムの排泄が増加する機序として,糸球体濾過値,アルドステロンにつづいて第3番目に考えられるという意味でとりあげられたものであるが,その本態についての研究が進歩の中心であろう.物理的因子として説明できるという一派と,物質的基礎があると主張する一派とあることは周知のとおりであるが,後者が今や主流となりつつあるようで,ナトリウム排泄因子としてとりあげられつつある.
しかし何といっても,物質の分離同定が行なわれないうちに生理作用のみが論ぜられているというのは,変則といわざるを得ない.一日も早くこの物質が同定されることを望みたい.それにしても,この状態は,かつて浮腫性疾患患者尿中に抗利尿,ナトリウム貯留因子が存在するという事実が多くの人にわかっていながら,アルドステロン(当時はまたelectrocortin)として抽出されるまでにはかなりの時間がかかったのとよく似ているようである.
しかし何といっても,物質の分離同定が行なわれないうちに生理作用のみが論ぜられているというのは,変則といわざるを得ない.一日も早くこの物質が同定されることを望みたい.それにしても,この状態は,かつて浮腫性疾患患者尿中に抗利尿,ナトリウム貯留因子が存在するという事実が多くの人にわかっていながら,アルドステロン(当時はまたelectrocortin)として抽出されるまでにはかなりの時間がかかったのとよく似ているようである.
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