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新しい検査技術
TPHAテスト
著者: 富沢孝之1
所属機関: 1国立東京第一病院内科
ページ範囲:P.362 - P.363
文献購入ページに移動従来ワッセルマン(ワ氏)反応といわれ,現在行なわれているものは,牛心臓から精製した,カルジオライピンとレシチン,コレステロールという脂質を(梅毒血清によりよく陽性に出やすく,3者を適当な比でまぜあわして作られたものを)抗原として反応を行なっているものである.
ゆえにトレポネーマ,パリーダム(梅毒病原体)の感染があると,ほとんど陽性にでて鋭敏度のすぐれた反応である.しかしながら梅毒以外にも時に陽性を呈し,特異性がややおちるいわゆる生物学的偽陽性(Biological Folse Positive, BFP)というもので,このワ氏反応陽性例中,少なくとも10%あるといわれている.なにもこの反応ばかりではなく,全生物学的反応においては,その性格上,このような非特異反応が出ることは止むを得ないわけで,100%の正確さを求めることは困難なことである.
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