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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻4号

1972年04月発行

文献概要

全身性疾患と心電図

異蛋白血症と心電図

著者: 太田怜1

所属機関: 1自衛隊中央病院内科

ページ範囲:P.528 - P.530

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異蛋白血症は心電図に影響するか
 "異蛋白血症と心電図"という題であるが,異蛋白血症が,心電図に影響を与えるかどうかは疑わしい.たしかに,肝硬変のとき,T波の平低化やQT延長は多くみられ,Wuhrmannによって,Myocardoseという概念が導入されたが,これはむしろ低蛋白血症によるものであり,純粋な意味での異蛋白血症によるものではない.異蛋白血症の代表的な疾患として,アミロイドーシスがあげられ,これは心電図に変化を与えるが,その原因としては,異蛋白血症より心筋へのアミロイドの沈着のほうをよけいに考えるべきであろう.種々の感染や,膠原病のさいにも,異蛋白血症がみられ,心電図にそれなりの変化のみられることもあるが,これも心筋炎や膠原病そのものの心筋への侵襲という見かたで,その変化をとらえるべきであろう.
 そこで本稿では,たまたま異蛋白血症と粘液水腫を合併した例をとりあげて,いずれがより多く心電図に影響を及ぼしたものであるかを検討してみることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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