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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻5号

1972年05月発行

文献概要

グラフ 腸X線像のみかた

II.造影でどこまでわかるか

著者: 湯川永洋1 湯川研一1

所属機関: 1湯川胃腸病院

ページ範囲:P.642 - P.647

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 腸のX線造影法は,小腸では経口法が主であるが,最近では注腸法を用い造影剤および空気を注入して小腸下部まで送りこみ,同部を検査する方法も行なわれている.つぎに大腸では経口法と注腸法があって,機能的検査には経口法が,器質的検査には注腸法が適していることは周知のとおりである.課題は腸X線像—造影—となっているが,ここでは経口法を省略し,注腸法による大腸のX線像につき述べることとした.
 注腸法としては,わが国では従来正規の検査法で充盈像および残存粘膜像(レストレリーフ)を,Fischer法で二重造影像を撮ってきた.Fischerの二重造影法は低濃度の造影剤を使用するもので,上記正規の検査にひきつづき行なうことができるので都合がよいが,微細な病変を描写することはできない.これが可能となったのは高濃度の造影剤を使用するWelin法が登場してからで,癌に併存したsentinel polypの手術標本からみて,ポリープのような隆起性病変なら0.3cmまでは発見可能である.そのほか高圧撮影法はポリープのような隆起性病変の検査に用いられるが,常に成功するとはかぎらない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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