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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻5号

1972年05月発行

文献概要

診療相談室

橋本病について

著者: 尾形悦郎1

所属機関: 1東大第1内科

ページ範囲:P.704 - P.705

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質問 1)橋本病のTAテストの意義について,2)また橋本病の甲状腺機能は如何,3)橋本病をみたときの対策についてお教えください.(川崎市・M生)
答 甲状腺異常が橋本病(慢性甲状腺炎)であるとわかれば,あとの治療方針は非常に簡単である.そこまでの診断が問題で,甲状腺腫のある場合は単純性瀕漫性甲状腺腫,多結節性甲状腺腫(multinodular goiter),Basedow病,癌などが鑑別の対象となる.典型的な場合の慢性甲状腺炎は,比較的硬く,気管の偏位をきたさない,分葉構造を失わずに一様に腫大した甲状腺腫として触れ,このphysical examination所見で診断がつく.甲状腺腫のない,あるいは著しくない場合はさらに問題が多い.この形の慢性甲状腺炎は,いわゆる特発性粘液水腫へと発展して行く.これは甲状腺の触診以外の方法で診断をつけねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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