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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻6号

1972年06月発行

臨床家の薬理学・6

Ⅵ.冠動脈拡張剤

著者: 今井昭一1

所属機関: 1新大薬理学

ページ範囲:P.764 - P.765

文献概要

 ニトログリセリンが,狭心症の疼痛発作を緩解させる作用をもつことは,古くから経験的に知られていたが,やがてこの薬物に冠状血管拡張作用がみとめられ,この薬物が狭心症の疼痛に有効なのは,冠血管の拡張が起こるためと考えられるようになり,この考えに基づいて,多くの血管拡張薬が狭心症の治療薬として使われるようになった.今日でも狭心症治療薬の主流は,いわゆる冠血管拡張薬であるが,冠血管拡張薬の中でも心筋の酸素消費を増大させぬもの,たとえ増大させてもそれを上まわる冠血流の増加の得られるものが望ましいことは自明の理であり,このような薬物は良性の冠血管拡張薬といわれる.そのような薬物としては,ニトログリセリンを代表とする亜硝酸化合物(Nitrites)および近年開発された冠血管拡張薬がある.以下にそれらの薬理作用について簡単に記述し,そのうえで狭心症治療における冠血管拡張薬の意義について少し論じてみることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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