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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻6号

1972年06月発行

文献概要

グラフ

持続点滴腎盂造影

著者: 松本恵一1 三方律治1 松江寛人2

所属機関: 1国立がんセンター病院・泌尿器科 2国立がんセンター病院・放射線科

ページ範囲:P.774 - P.779

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 静脈性腎盂造影法が有力な不可欠な診断法であることは今更いうまでもないが,本診断法は安全性が高く,全身状態の不良な患者,特に腎機能低下の著しい患者にも施行できることは周知の事実である.しかし,従来の方法では腎機能低下のある場合には十分な造影が得られないことがある.そこで,second injectionを行なったり,double doseの造影剤を用いる方法或いはdelayed filmまで追求する方法などの各種の試みがなされてきた1964年Schenkerらがdrip infusion pyelography(DIP)を発表して以来,その有用性を強調する報告がかなりみられるようになり,最近非常に普及してきた,DIPの手技の細目に関しては多くの論議がなされてきているが,ここにはその詳細を述べることは省略した.要するに持続点滴腎盂造影の目的とするところは,通常のIVPで診断できないときに,腎杯の細部や尿管の描出即ち全尿路系の充盈像を得ようとするために行なわれるものであって,これによって逆行性腎盂造影という医師にとっても労作が多く患者にとっても苦痛があり,副作用の多い方法を減らすことができるという利点があるからである.なお,逆行性腎盂造影法が不能な症例には本法が唯一の手段となることは言うまでもない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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