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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻6号

1972年06月発行

文献概要

救急診療

集団食中毒

著者: 斎藤誠1

所属機関: 1都麹町保健所

ページ範囲:P.794 - P.795

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最近の発生の特徴
 食中毒とは有害微生物,有害物質などの病因物質を含む食品を媒体とし生ずる疾病をいい,その分類はサルモネラ,ブドウ球菌などによる細菌性食中毒と,毒キノコ・フグなどによる自然毒,および鉛・水銀などの化学物質による化学性食中毒に大別される.このうち細菌性食中毒が,集団的にも散発的にも最も多発し,狭義の食中毒は細菌性食中毒を指すことが多い.
 最近の発生をみると(表),年間発生件数は1100-1300件程度で,患者数は3-5万であるが,実数はこの数十倍であろう.患者の発生季節は昭和45年を例にとると,7-9月の3カ月に患者数の58%,事件数の71%が集中している.これは高温・多湿の候に多発する腸炎ビブリオをはじめとする細菌性食中毒の影響を端的に示したものといえる.植物性自然毒の毒キノコは9-11月,動物性自然毒のフグは1-2月に多発している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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