icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント II.呼吸器系 2.喘息と咳

咳が長くつづくとき

著者: 岩崎栄1

所属機関: 1国立大村病院内科

ページ範囲:P.954 - P.956

文献購入ページに移動
原因はいろいろ
 咳は呼吸器疾患を診断するための重要な症状の一つである.そして,それが痰を伴なうかどうかは,ことに鑑別診断上役に立つ.もちろん,咳をきたす原因としては,呼吸器疾患だけでなく心臓血管系の病気,とくに老人に見られる慢性うっ血性心不全など,夜間の咳を訴えてくるので呼吸器疾患として誤ることがある.また特定の病気でなく"cigarette cough"といった単なる喫煙による慢性の咳もある.その他,神経性のものから,近年注目されてきた大気汚染による呼吸器疾患に至るまで,たくさんの疾病が"咳が長くつづくもの"として挙げられる.慢性の長くつづく咳は,昔から,わが国では,とくに若年者において,第1に肺結核症を疑い検査をすすめるのが臨床医の常識とされてきた.そしてなお,今日でも,年齢に関係なく肺結核症を忘れることはできないが,慢性で原因がわからない咳を訴える場合,肺癌をはじめ,悪性のものを疑って診断をすすめていくのが現況である.ことに高年齢層でのそれは重大である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら