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特集 これだけは知っておきたい診断のポイント II.呼吸器系 5.血液ガス分析から
血中CO2からわかるもの
著者: 長谷川博1
所属機関: 1国立がんセンター・外科
ページ範囲:P.971 - P.975
文献購入ページに移動血中CO2の診断的意義は2つに分けて論ずることができよう.すなわち1つは,血中に溶存しているCO2ガスに関するもので,呼吸と密接な関係があり,低すぎ・高すぎはhypo-,hyper-capniaと呼ばれ,mmHg単位によって表現されるのが通例である.もう1つはCO2 combining powerまたはtotal CO2 content bicarbonate等と呼ばれるもので,低すぎ〜高すぎは呼吸とは一応無関係で,代謝性acidosis〜alkalosisの重要な指標となる.単位は通常mM/lまたはmEq/lで表現されるが,Astrup, S. Andersenらの測定法が普及して以来,Base Deficit(BDと略)またはBaseExcess(BEと略)という単位で正常値からのズレをmM/lを使って表わされることもある.
そこでこれら2つの血中CO2について,はじめに体液生理学的な概論をのべ,続いて技術的な面に重点をおいたterminologyおよび具体的な診断価値についてのべてみることにする.
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