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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

III.消化管 2.胃内視鏡検査でわかるもの

吐血患者の胃内視鏡検査

著者: 崎田隆夫1

所属機関: 1国立がんセンター外来部

ページ範囲:P.1025 - P.1026

文献概要

吐血直後に検査を行なうための条件
 私に与えられた質問は,「吐血後どのくらいたったら胃内視鏡検査を行なってよいか」ということである.「吐血直後でも,あるいは吐血中であっても胃内視鏡検査を行なってかまわない」これが私の答えである.ただしいくつかの条件がある.第1に,申すまでもないが,胃内視鏡検査になれた先生が行なわねばならない.第2に外科的処置を行なう便宜を手近に得られること.それが得られぬような環境では,従来のような保存的なやりかたでまず止血をはかるのがよいだろう.もちろん出血によりショックにおちいりそうな場合は,最初にそれに対する処置をせねばならない.
 絶食して腹に氷嚢をのせてじっとしているのが,上部消化管出血に対する昔からのやりかただが,これに真正面から反対しているのがPalmerである.かれが「上部消化管出血に対する積極的アプローチ」と名づけているその方法は,すでにご存知の方も多いと思うが,つぎのようである.「消化管出血例が入院したら,血液学的・生化学的検査を行なうとともに,ただちに輸血・輸液を開始する.同時に胃を冷水で洗浄し,出血がおさまったところで,食道鏡検査・胃鏡検査,さらにひきつづいてX線検査を行なう.かくして1時間以内に診断を確定し,それぞれに適応した治療にとりかかる」というわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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