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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント IV.肝・胆・膵 3.肝炎の診かた

慢性肝炎の診断基準

著者: 王子喜一1

所属機関: 1市立堺病院

ページ範囲:P.1095 - P.1097

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慢性肝炎という病名について
 慢性肝炎という病名は単に肝炎のある状態を表現する言葉にすぎないとする極端な意見もあったが,現今ではもはや日常診療上のひとつの既定疾患単位となっている.しかしその定義については人によって意見が異なり,決定的な見解が示されていない.
 Popper1)などは急性ウイルス性肝炎→肝細胞壊死→持続性肝細胞変性→慢性肝炎→グリソン氏鞘炎と線維化→肝硬変という病理学的経路を考え,慢性肝炎は肝硬変症に至る1つの過程にすぎないとしていた.高橋教授2)などは3カ月またはそれ以上の経過で肝機能検査や肝生検像に異常があって慢性肝炎の診断を受けたものでも,1年後では機能的にも形態的にも治癒しうる症例が実在し,むしろ遷延性肝炎なる病名が適すると述べ,原発性慢性肝炎という病名も全面的に肯定するものでないとの立場をとっていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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