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特集 これだけは知っておきたい診断のポイント VII.神経糸 5.神経検査のポイント
よくみられる脳波の異常
著者: 中澤恒幸1 上島国利2
所属機関: 1名衛大精神神経科 2慶大・精神神経科
ページ範囲:P.1256 - P.1260
文献購入ページに移動1920年代にHans Bergerが脳波の基礎を確立してから40年余になるが,その間飛躍的発展をなし,現在内科医が胸部レントゲンを撮るように脳波検査も実施されている.しかし脳波は,その結果を過大評価することは危険であって,実際問題として脳波のみで診断のつく疾患はきわめて限られている.逆にいえば,脳波が正常範囲だからといって器質的脳疾患(てんかん,脳腫瘍も含め)を除外することはできない.すなわち脳波はあくまで臨床診断のための補助手段にすぎないが,その限界を知って用いることが脳波の価値を高めるといえるだろう。参考までにSchwab(1950)の挙げた脳波の臨床価値の表を示そう(表1).
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