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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント VIII.アレルギー・膠原病 2.アレルギー性疾患の診かた

アレルギー性鼻炎

著者: 信太隆夫1

所属機関: 1国立相模原病院アレルギーセンター

ページ範囲:P.1307 - P.1310

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まず全身性の変化を問うこと
 アレルギー性鼻炎であるかどうかは,アレルゲンが確認されない限り断定することはできない.しかし,アレルギーかもしれないということはある程度可能である.普通,アレルギー性らしいと判断される鼻鏡所見は,成書に書かれているように鼻粘膜の蒼白性浮腫をさしているが,このような所見は慢性の非季節型鼻炎に多く,また成人よりも小児に多い、いわば季節型の典型例における所見は最盛期においてむしろ発赤し,間歇期において所見を欠く.まして感染がアレルギーを助長せしめているような時は判断を誤りやすい.患者みずからアレルギーと言って訪れた場合,なぜアレルギーと思ったかを逆に聞いてみると,鼻カゼに罹りやすい,初めカゼかと思ったが毎年同じ頃に生じ,しかもだんだん遷延化する,ほとんどある一定時刻に症状が強くなる,肉親にアレルギーの人がいるから自分も鼻以外に何となくアレルギーらしい症状がある,などが主な訴えであった.
 結局,このような執拗な,不定で移り気な症状の把握のために,鼻のみでなく全身性の変化を聞きだすところにアレルギー診断の第一歩がある.アレルギーの診断に病歴を調べることが最も重視されることは今も昔も変わらない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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