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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント IX.腎・泌尿器系 3.腎機能検査の診かた

腎疾患時の血中尿素窒素

著者: 浦壁重治1

所属機関: 1阪大・第1内科

ページ範囲:P.1344 - P.1346

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BUN測定の適応
 尿蛋白陽性の場合,無反省に血中尿素窒素(BUN)測定がなされている症例によく遭遇する.もともと腎は体液成分恒常性維持を目的として,相当余裕をもって働いていることは,1側腎の摘出後もBUNが上昇しないことからも容易に想像されよう.通常腎血流量あるいは糸球体濾過量が正常の約1/3に低下してはじめて恒常的なBUNの上昇が始まる.逆にいえば,BUNが正常だからといって,腎機能に異常がないとは決していえない.
 したがって尿蛋白が証明された場合,まず尿沈渣の検鏡,1日尿量およびその比重の測定,PSP排泄試験,Fishberg濃縮試験,血清総蛋白濃度,Hemoglobin濃度などの測定が必要で,もしこれらで相当進んだ腎障害(腎不全)が疑われるとき,BUN測定の適応といえる.もちろん無尿,乏尿,あるいは尿毒症症状がみられる症例では最初からBUN測定が必要であることはいうまでもない.さらにBUNと並行して血清電解質の測定が望ましい.設備のない場合はEKGで少なくとも血清カリウム濃度をチェックされるとよいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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