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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント IX.腎・泌尿器系 4.尿路結石の診かた

尿路結石と副甲状腺

著者: 藤田拓男1

所属機関: 1東大老人科

ページ範囲:P.1351 - P.1353

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尿路結石と生体代謝異常
 尿路結石は人類とともに古い疾患であって,BC 5000年と推定されているエジプトのミイラにすでに発見され化学的に分析されている.Hip-pocratesは尿路結石の外科的治療は専門医にまかすべきことを警告している.このことは現在も変わらぬ真理であるが,疾患の病態生理について深く考察するとともに,広く人体の全般の立場から正しい診断をくだすことを使命とする内科医にとって,尿路結石は,生体の代謝異常の重要な一つの断面として,容易に看過することのできない現象であると思われるのである.
 尿路結石の85-90%はカルシウムを含むといわれ,燐酸,炭酸,尿酸,蓚酸,チスチン,キサンチンなどとともに結石の主成分を構成するが,尿路結石の成立には尿中カルシウム排泄の増加のほかに,尿の種々の性状ことにpHの変化などいろいろの条件が必要なことは当然予測されるところであるが,臨床的な経験においては,原因の不明ないわゆる特発性結石がかなりの割合を占める実情である.Reddyらの238例の尿路結石症についての研究によると,85%は原因が不明であって,11%が閉塞性腎疾患,7%が系統的疾患によるものであるという.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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