icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント X.血液系 1.出血傾向のための検査

線溶活性

著者: 佐藤智1

所属機関: 1東京白十字病院

ページ範囲:P.1374 - P.1376

文献購入ページに移動
 線溶という略語が,日本の医学界で通用しはじめてから久しく,これに関連する研究発表は枚挙にいとまがないが,臨床面では意外に測定されていないのはなぜだろうか.
 全身紫斑を伴う出血でかつぎこまれた患者の血漿に,トロンビンを加えて凝固させたものが翌朝にとけてしまい(線溶活性亢進),抗プラスミン剤の大量投与で,紫斑も,血尿も,口腔内出血も直ちに消失してしまった症例をみては,線溶に興味をもたざるをえない.このようにドラマティックでなくても,特発性腎出血で苦しむ人に,また月経前期に毎月喀血,血痰を出す婦人に線溶活性亢進をみとめ,抗プラスミン剤投与で"血をみなくなる喜び"をともに味わうときに線溶に心ひかれる.線溶活性は出血のみならず,アレルギーに,炎症に,ホルモンに,動脈硬化に,いろいろな分野に関連をもつ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら