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特集 これだけは知っておきたい診断のポイント X.血液系 4.知っておきたい貧血
再生不良性貧血
著者: 浅井一太郎1
所属機関: 1虎の門病院血液科
ページ範囲:P.1392 - P.1394
文献購入ページに移動再生不良性貧血とは
この貧血の本態は,骨髄の造血機能が障害されて,赤血球の造成が減少していることにある.原因は不明のことが多いが,また,白血病,感染症,内分泌障害,栄養障害,種々の悪性腫瘍-ことにその骨髄転移,多発性骨髄腫などに続発して起こることもある.最近ことに注目されているのは,種々の化学物質や薬剤によって起こる骨髄障害が原因となっている場合である.
たとえば,ベンゾール及びその誘導体は以前から本症の原因として注目され,最近でも集団中毒を起こして社会的注目を惹いている場合がある.薬剤としては,サルファ剤,睡眠剤,ことにバルビツール酸誘導体,解熱剤,フェノチアジン誘導体,抗癌剤などが原因としては最もしばしば問題になるが,中でもクロルアンフェニコール及びその誘導体は本症を起こすことが多く,しかもこれによるものは予後が悪いことが多いので注意を要するものである.その他,筆者は最近毛染剤として用いられるパラフェニレニジアミンが原因と考えられる症例を一再ならず経験している.これも社会的風潮の一断面であろうが,新しい本症の原因薬剤として念頭に置く必要がある.
この貧血の本態は,骨髄の造血機能が障害されて,赤血球の造成が減少していることにある.原因は不明のことが多いが,また,白血病,感染症,内分泌障害,栄養障害,種々の悪性腫瘍-ことにその骨髄転移,多発性骨髄腫などに続発して起こることもある.最近ことに注目されているのは,種々の化学物質や薬剤によって起こる骨髄障害が原因となっている場合である.
たとえば,ベンゾール及びその誘導体は以前から本症の原因として注目され,最近でも集団中毒を起こして社会的注目を惹いている場合がある.薬剤としては,サルファ剤,睡眠剤,ことにバルビツール酸誘導体,解熱剤,フェノチアジン誘導体,抗癌剤などが原因としては最もしばしば問題になるが,中でもクロルアンフェニコール及びその誘導体は本症を起こすことが多く,しかもこれによるものは予後が悪いことが多いので注意を要するものである.その他,筆者は最近毛染剤として用いられるパラフェニレニジアミンが原因と考えられる症例を一再ならず経験している.これも社会的風潮の一断面であろうが,新しい本症の原因薬剤として念頭に置く必要がある.
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