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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント XIII.老人科 1.年齢別正常値

老人の正常値をどう考えるか

著者: 松木駿1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.1452 - P.1454

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正常値と標準値
 すべての医学的測定値は,それと比較して異常かどうかを決めるために,正常値が必要である.正常値は普通正常人(normal men)から得られた値であるが,正常人をどのような定義で決めるかが問題で,実際には正常と思われる人(probablynormal men)の値ということになる.病気を除外するのにどのような検査を行なって,またどのような判定基準で正常としたかを考えると,それが真の正常人であったかどうか自信がなくなってしまう.病気以外にも経済状態,食事内容,ふとっているかやせているかなどの栄養状態,季節などの影響を受ける可能性のある測定値も少なくないであろう.そうなると正常値(normal value)は現段階で簡単に決めるべきものではなさそうである.しかし実際にはある基準となる値が必要であるから,それを正常値でなくて標準値(standard value)とよぶのはどうであろうか.標準値は1つの"ものさし"と考えれば,よりよいものさしができたらそれに換えてゆこう.従来正常値として報告されているものは標準値として理解して,その値が得られた対象の条件をなるべく詳細に記載しておいてほしい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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