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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント XVI.婦人科 2.婦人のむくみ

原因不明の婦人の浮腫

著者: 竹本吉夫1

所属機関: 1秋田赤十字病院内科

ページ範囲:P.1496 - P.1499

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診断にあたっての注意
 婦人においては,生理的にも月経周期に対応した水,電解質代謝の変動がみられ,卵胞期に比較して黄体期,とくにその後期において全水分量,細胞外液量の増加,Naの蓄積傾向,血清滲透圧の上昇,血清ADH活性の上昇などが指摘されている.
 "月経前症候群"においては,精神神経性の愁訴が主症状をなすが,水分代謝障害もまた本症の特徴的な一症状である.浮腫はふつう月経前14-10日前,すなわち黄体期の開始と共に現われ,次第に増強し,月経開始と共に消失するか,または軽快してゆくものである.甚しくは第三者にもわかる位に顔面,四肢に浮腫をきたし,減尿の著しくなるものもみられる.小林・高山は,本症患者ではとくに月経周期に伴う水,電解質代謝の変動の著しいことを明らかにし,その機序としてエストロゲンとプロゲステロンの両者の協調作用を重視している.また"更年期性浮腫"として,閉経期の婦人で閉経期に先行,またはその初期に浮腫の出現をみるものもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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