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文献詳細

雑誌文献

medicina9巻7号

1972年07月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい診断のポイント XVI.婦人科 5.乳がん

乳がん早期発見のために

著者: 太中弘1

所属機関: 1日本赤十字病院外科

ページ範囲:P.1512 - P.1515

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乳がん発生の傾向
 昨今はがんに対するPRがゆきとどいたのと,乳がんは胃がんと異なって,直接表面から触れることができるので,患者自身が比較的早期に腫瘤を発見し,がんを心配して来院する女性が多くなったので,潰瘍を伴った晩期のもの(Steinthal III型)は少なくなったが,そのかわり若い女性まで正常の乳腺をがんと誤解したり,あるいは痛みがあるが,がんではないかと心配して来院する女性が多くなってきたので,その診断と治療にはよほど慎重でなくてはならない.とにかく,がんと確診した場合には当然乳房切断術が行なわれるので,患者にがんという病名をかくすことができない.この点が胃がんを胃潰瘍といって,患者をごまかし,一時を糊塗して安心感を与えることができるのと違い,医師にとっても家族にとっても立場が苦しい,そこで,あなたの場合はまだ早期で再発の心配がないからといって安心感をもたせるように心がけるべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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