icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科1巻3号

1973年09月発行

文献概要

境界領域

腫瘍免疫研究の問題点—腫瘍抗原と免疫監視機構・2

著者: 西岡久寿弥12

所属機関: 1国立がんセンター研究所ウイルス部 2東京大学医科学研究所

ページ範囲:P.201 - P.207

文献購入ページに移動
Ⅴ.細胞性因子と体液性の因子
 免疫学的に未成熟な胎仔,新生仔,あるいは人工的に免疫機構を破壊した宿主にのみ高率に発がん性ウイルスで癌発生の実験が成功する事実,あるいはヒトの免疫不全疾患であるWiscott-Aldrich症候群,Ataxia-teleangectasia,Bruton型無ガンマグロブリン症などに高率に悪性腫瘍が発生し,さらに腎移殖をうけて,免疫抑制をうけた患者に悪性腫瘍が多発する事実は,動物,ヒトのがんの抑制に免疫監視機構が重要な役割を果していることを示すものである.
 前述した免疫監視機構にあずかる宿主側の要因としての細胞性の因子として,感作リンパ球との特異な反応の結果誘発されてくるeffector mole-culesを列挙した(表1).これは抗原と感作リンパ球との特異的な反応に基づいて,これらの活性発現因子がeffector moleculesとして作用して右欄に示す活性をあらわす.現象の追究から細胞免疫に関与する実体がようやく明らかにされつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら